箱や封筒に溜まったレシートを前に、スキャナのフタを開けて1枚載せ、閉じて、スキャンして、保存名を付けて、また開けて……を50回。経費精算や確定申告の前にこれをやったことがある人は、作業そのものより同じ操作を枚数分くり返すことが苦痛だと知っています。
海外の掲示板でも同じ質問が繰り返し出ます。「何百枚ものレシートをデジタル化する一番いい方法は?」——そこで必ず挙がる答えが、まとめてスキャンして、あとからソフトで分割するという順番の入れ替えです。
1枚ずつ取り込む必要は、実はない
レシートは小さい紙です。A4のガラス面には、コンビニのレシートなら4〜6枚、細長いものでも3枚は並びます。つまり1回のスキャンで4〜6枚ぶんが取り込めるということです。
問題は、そうやって取り込んだ画像が「レシート4枚が写った1枚の画像」でしかないことでした。経費精算システムには1件ずつ添付する必要があるし、あとから見返すときも1枚ずつ分かれていないと探せません。だから多くの人が、面倒でも1枚ずつスキャンしています。
ここを機械にやらせるのがレシート一括スキャンの分割です。並べて撮った画像を入れると、紙の位置を1枚ずつ見つけて、傾きを直して切り出します。
使い方
- レシートを重ならないように並べて、スキャンまたは真上から撮影する
- できた画像をツールに入れる(複数枚の画像をまとめて入れてもかまいません)
- 検出された枠を確認する。余計なものが入っていたら枠をクリックして外す
- 「まとめてZIPで保存」または「1枚=1ページのPDFにまとめる」
ZIPは1枚ずつのファイルが出るので、経費精算システムに1件ずつ添付する用途に。PDFは通し番号の付いた1冊になるので、まとめて提出・保管する用途に向きます。
コツは「背景を暗くする」
このツールは紙と背景の明るさの差で紙の位置を見つけます。ですから、白いレシートを白いフタや白い机の上に置くと差が出ず、うまく切れません。
- スキャナ: フタを開けたままスキャンする(背景が暗くなります)
- 撮影: 濃い色の机、または黒い紙・カッターマットの上に並べる
これだけで検出率が大きく変わります。背景が白い場合も「背景: 明るい」を選べば、影の輪郭を手がかりに拾えることがあります。それでも外れる場合は、画像の上をドラッグして枠を手で足せます。自動検出が全部当たらなくても、作業が振り出しに戻らないようにしてあります。
レシート同士は少し離して並べてください。接していると1枚として認識されます。
傾きは自動で直る
ガラス面に雑に置いて数度ずれても、切り出した画像はまっすぐになります。見つけた紙の輪郭に対して面積が最小になる長方形を当てはめ、その傾きぶんだけ回転して切り出しているためです。四隅を手で指定する必要はありません。
上下が逆さまに写ってしまった場合は、一覧の「90°回す」で向きを直してから保存できます。
感熱紙の薄い文字は「書類」仕上げで
コンビニのレシートは感熱紙で、時間が経つと薄くなります。仕上げで**「書類(影を消して白地に)」**を選ぶと、局所的な明るさのムラを飛ばして紙を白く、文字を黒く寄せるので、薄い文字が読みやすくなります。ファイルサイズも小さくなります。
色を残したい領収書(押印のあるものなど)は「補正なし」か「自動」を選んでください。
画像はブラウザから出ません
レシートには店名・日時・金額、場合によっては決済カードの下4桁が写っています。このツールは画像をサーバーに送りません。読み込み・検出・切り出し・ZIP/PDFの生成まで、すべてブラウザの中で完結します。オンラインの画像分割サービスは便利ですが、経理書類をアップロードするのは避けたいところです。
金額や日付の読み取り(転記)まで自動化したい場合は、切り出した画像を請求書・レシートの転記ツールに渡してください。1枚ずつに分かれていれば、そのまま1件ずつの明細になります。
制限
- PNG・JPEG・WebP に対応しています。PDFのスキャンは直接読み込めません
- 重なっている紙、背景と同じ明るさの紙は検出できません
- とても大きな画像は長辺3200pxに縮小してから処理します(端末の負荷を抑えるため)